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SURFACE FINISHING REPORT

【比較表】めっき設備・
自動化ライン・受託加工

設備、試験器、受託加工を担う8社を、事業形態と対象工程などの事実項目で整理します。

ホイストが槽の上を移動する、ステンレス製のめっきラインが並ぶ明るい工場内部

設備・自動化ライン・受託加工をどう整理するか

最終更新日:

本ページの比較表は、各社の公式サイトで確認できた事業形態・拠点・製品分類などの事実項目を並べたものです。順位付けや優劣の判断は行いません。公式サイトで確認できなかった項目は「公式サイト参照」と表記しています。

めっきの現場を支えるのは、薬品だけではありません。直流電源(整流器)、めっき槽、ろ過器、加温・冷却の設備、部品を運ぶ搬送装置、液を分析して補給する管理装置、排水を処理する設備、完成した皮膜を測る試験器など、多数の設備が組み合わさって一つのラインになります。これらを一社が一括して提供する場合もあれば、工程ごとに専門の事業者が担う場合もあります。

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受託加工業者は、こうした設備を使って顧客の部品にめっきを施す事業者です。自社で設備を持ち、薬品メーカーの技術支援を受けながら、品質を管理して納品します。自動化の程度は、扱う製品の量と種類によって大きく異なります。少量多品種の貴金属めっきでは、治具の掛け替えや目視による検査が工程の中心になり、大量生産の部品では、ホイストやロボットによる搬送、自動補給、膜厚の自動測定を組み込んだラインが使われます。

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以下の比較表は、設備メーカー、試験器メーカー、薬品と設備の両方を提供する事業者、受託加工業者を同じ表に並べています。事業形態が異なる事業者を同じ軸で並べるため、「対象工程」と「自動化・液管理の公表」の列は、各社の公式サイトに掲載されている製品分類や設備の記載に基づいています。ここに掲載されていない設備メーカーや加工業者が多数存在することにご留意ください。

【比較表】めっき設備・自動化ライン・受託加工の主要プレイヤー8社

プレイヤー事業形態本社対象工程自動化・液管理の公表拠点公表実績(公式サイト記載)
株式会社中央製作所設備(電源・表面処理装置メーカー)名古屋市瑞穂区電源(整流)・めっき装置・環境機器・計測管理製品群に表面処理装置、計測・管理機器、環境機器を掲載支店:東京・大阪、営業所:仙台・福岡、工場:名古屋名証メイン市場(6846)、設立1936年、従業員196名(2026年3月末)
株式会社山本鍍金試験器試験器・小型装置メーカー東京都渋谷区千駄ヶ谷試験・分析・小型めっき装置装置・試験器の製品分類を掲載(自動化の詳細は公式サイト参照)本社のみ記載(海外代理店ページあり)創業昭和25年、資本金8,000万円
上村工業株式会社(装置・液管理)薬品+装置+液管理装置大阪市中央区前処理・めっき・液管理事業領域に「液管理装置」を明記国内:大阪・東京・名古屋・枚方、海外:米国・香港・台湾・タイ・深圳など連結従業員数1,528名(2026年3月末)
株式会社JCU(装置関連事業)薬品+装置東京都台東区めっき・分析管理・プラズマ処理全自動表面処理装置・自動分析管理装置を掲載国内:東京・大阪・名古屋・川崎ほか、海外:中国・台湾・韓国ほか連結従業員数567名(2026年3月末)
株式会社三ツ矢受託加工(機能めっき)東京都品川区西五反田前処理〜めっき(バレル・ラック・網付け・フープ)自動化の詳細は公式サイト参照五反田・八王子・米沢・甲府プラント、世田谷ラボ、テクニカルセンター創業1931年、従業員297名(2026年6月30日)
日本プレーテック株式会社受託加工(電気めっき・無電解めっき)栃木県那須塩原市西三島電気めっき・無電解めっき・化成処理設備一覧に各めっき装置を掲載(自動化の詳細は公式サイト参照)本社(那須塩原市)創業1949年、従業員90名、ISO9001・ISO14001
日本カニゼン株式会社受託加工+薬品+プラント東京都足立区宮城無電解ニッケルめっき加工・めっき液・プラントプラントの設計・販売を事業内容に掲載本社のほか加工工場・薬品製造工場(公式サイト参照)設立昭和30年、従業員150名
日本パーカライジング株式会社(加工・装置)薬品+受託加工+装置東京都中央区日本橋前処理・化成・めっき・塗装・排水処理装置事業に前処理装置・排水処理設備を掲載事業所一覧・国内外の関係会社の一覧あり東証プライム、設立1928年

2026年10月時点、各社公式サイト・公開資料に基づく。最新情報は各社サイトで確認してください。事業内容は各社の自己説明であり、第三者による評価ではありません。対象工程と自動化の記載は、公式サイト上の製品・設備の掲載を整理したもので、導入実績や性能を示すものではありません。

各プレイヤーのプロフィール

以下は、公式サイトに掲載されている内容に基づく各社の概要です。

#01株式会社中央製作所

中央製作所は、各種電源装置、表面処理装置、電気抵抗溶接機、電解加工機、環境機器などを製造する企業です。公式サイトの会社概要によると、設立は1936年4月27日、本社は名古屋市瑞穂区内浜町にあり、名古屋証券取引所メイン市場に上場しています(証券コード6846)。2026年3月期の売上高は40億1600万円、従業員数は196名(2026年3月31日現在)と記載されています。

特色として「製品の75%がオーダーメイドの創造開発型企業」と自社を説明し、納入先は産業界全般の大手メーカーが中心で、海外20数カ国にも製品を輸出していると述べています。製品情報のページには、電源装置、表面処理装置、抵抗溶接機、電解加工機、環境機器、計測・管理機器、鉄道試験装置が並びます。めっきの工程でいえば、直流電源(整流器)から、めっき槽を含む表面処理装置、排水に関わる環境機器、計測・管理機器までを同じ企業の製品群として確認できます。

#02株式会社山本鍍金試験器

山本鍍金試験器は、湿式表面処理装置(100L容量以下)、湿式表面処理試験装置、湿式表面処理分析器(塗装を除く)の設計・開発・製造を行う企業です。公式サイトの会社概要によると、本社は東京都渋谷区千駄ヶ谷にあり、資本金は8,000万円、認証規格としてISO9001とISO14001を挙げています。代表挨拶では、昭和25年の創業以来、企業・大学・公的機関の研究開発を支える道具を提供してきたと述べています。

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製品情報では、ハルセル、応力測定器、均一電着試験器、分析器、ウェハ用、バレルめっき装置、電源、ろ過器、揺動装置、水槽、温度調節器、ヒーター、止具・治具、極板・アノードバッグ、筆めっきなどが製品分類として並びます。オーダーメイドの製品開発にも取り組んでいると、公式サイトに記載されています。めっき液の評価や研究開発向けの小型設備を探す場合に、確認の対象となる企業です。

#03上村工業株式会社(装置・液管理)

上村工業は、薬品メーカーとして薬品比較表にも掲載していますが、めっき用装置と液管理装置を手がける点で設備の観点でも確認の対象になります。公式サイトの事業内容では、めっき用薬品、めっき用装置、液管理装置の三つを事業領域としており、「お客様の多様なニーズに対応したオンリーワンの製品・サービス」を提供すると述べています。

拠点一覧には、枚方機械工場(大阪府枚方市)が掲載されており、台湾や深圳の拠点には機械製造の機能も記載されています。薬品と装置を同じ事業者から調達する場合の利点と注意点は、本ページの後半で整理します。

#04株式会社JCU(装置関連事業)

JCUは、表面処理薬品事業と装置関連事業の二つで事業を説明しています。公式サイトの事業・製品紹介では、装置関連事業として、全自動表面処理装置、自動分析管理装置、プラズマ処理装置を挙げています。薬品と装置を一体で販売する点を事業内容に含めており、液の分析と補給を自動化する自動分析管理装置は、めっき液管理の自動化に直接関わる製品群です。

会社概要によると、従業員数は単体250名、連結567名(2026年3月末現在)です。ISO9001とISO14001の認証範囲には、表面処理薬品・装置の開発、技術サービス、薬品の製造が含まれていると記載されています。

#05株式会社三ツ矢

三ツ矢は、機能めっきや難素材へのめっき、高精度めっきを手がける受託加工業者で、公式サイトでは「機能めっき、難素材へのめっき、高精度めっきのパイオニア」と自社を説明しています。会社概要によると、創業は1931年10月10日、設立は1959年2月23日、資本金は1,500万円で、従業員は297名(2026年6月30日現在)です。本社は東京都品川区西五反田にあります。

事業拠点として、五反田、八王子(東京都)、米沢(山形県)、甲府(山梨県)の各プラントと、世田谷ラボラトリー、テクニカルセンターが掲載されています。めっき種は、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、銅、インジウム、スズ、亜鉛、ニッケルなどのほか、アルミ化成処理や銅材クロメート処理を挙げ、加工方法はバレル方式、ラック方式、網付け方式、フープ方式を示しています。産業分野は、半導体、自動車、電子・通信機器、医療機器、航空宇宙、電力関係が掲載されています。所属団体として、表面技術協会、全国鍍金工業組合連合会、東京都鍍金工業組合などが挙げられています。

#06日本プレーテック株式会社

日本プレーテックは、栃木県那須塩原市に本社を置く受託加工業者です。公式サイトの会社概要と業務内容によると、創業は1949年、資本金は4,200万円、従業員は90名、敷地は7,000平方メートルです。業務内容として、電気めっきでは亜鉛、銀、ニッケル、スズ、銅、亜鉛-鉄合金、鉄、鉄-クロム合金を、化学めっき(無電解めっき)ではニッケル-りん、スズを挙げています。

そのほかの表面処理として、アルミニウムとマグネシウム合金の化成皮膜処理、マグネシウム合金の陽極酸化皮膜処理、3価クロメート処理、酸化チタンの光触媒作用による防錆加工が記載されています。社長メッセージでは、2003年に設置した試作専門の開発部門で多くの案件に携わってきたと述べています。設備・処理例のページには、静止亜鉛めっき装置、回転式亜鉛めっき装置、回転式光沢すずめっき装置などが一覧として掲載され、ISO9001とISO14001の認証も取得しています。

#07日本カニゼン株式会社

日本カニゼンは、無電解ニッケルめっきを軸に、受託加工、めっき液の製造・販売、プラントの設計・販売を手がける企業です。薬品の観点では薬品比較表にも掲載しています。公式サイトには、製品紹介、生産体制(加工工場・薬品製造工場)、テクノロジー(技術開発体制・導入事例)、ESGの各ページがあり、生産体制の詳細はそちらで確認できます。

無電解めっきのプラントについては、事業内容に「無電解めっきプラントの設計・販売」が掲げられています。加工と薬品と設備を一貫して提供できる点が事業の構成上の特徴ですが、拠点の所在地や設備の仕様は公式サイトで確認する必要があります。本社は東京都足立区宮城にあり、日本パーカライジング・グループにおける内部統制を整えていると公式サイトに記載されています。

#08日本パーカライジング株式会社(加工・装置)

日本パーカライジングは、公式サイトの会社概要で、加工事業を防錆、熱処理、めっき、塗装等の受託加工、装置事業を前処理・電着塗装装置、排水処理設備、粉体塗装装置、熱交換器等の製造・販売と説明しています。薬品事業と合わせて三つの事業を持つ構成で、金属の前処理から化成処理、塗装までを一貫して扱う事業者として確認できます。

企業情報のページには、事業所一覧、国内関連会社、海外関係会社の各ページが設けられており、拠点の詳細はそちらで確認できます。本ページでは、受託加工と装置の観点から掲載しています。薬品事業の内容は薬品比較表をご覧ください。

自動化ラインの構成要素と確認の視点

めっきラインの自動化は、搬送、液管理、品質管理の三つの層で考えると整理しやすくなります。

搬送の自動化

搬送は、部品を掛けた治具(ラック)や、部品を入れたバレルを、前処理槽、めっき槽、水洗槽、乾燥機の順に移動させる工程です。天井走行式のホイストで槽間を移動させる方式、キャリアーと呼ばれる搬送機で連続的に流す方式、コンベアで部品を連続処理するフープ方式などがあります。日本プレーテックの設備一覧に見られるキャリアー型やエレベーター型、プッシャー型といった呼称は、こうした搬送方式の違いを示す例です。

液管理の自動化

液管理の自動化は、めっき液の濃度や状態を分析し、不足した成分を補給する工程を機械に任せるものです。JCUの自動分析管理装置や、上村工業の液管理装置はこの領域の製品です。分析頻度を高め、補給量を細かく調整することで、品質のばらつきを抑えられるとされています。詳細はめっき液管理・自動化とAIで扱います。

品質管理の自動化

品質管理は、膜厚、外観、密着性、耐食性などを確認する工程です。膜厚は蛍光X線による測定が一般に用いられ、外観検査は画像処理やAIの活用が研究されています。山本鍍金試験器の製品分類にあるハルセルは、めっき液の状態を小さな槽で確認する試験器で、研究開発や液の評価に使われます。

受託加工業者を検討する際の視点

  • 対応できるめっき種と素材:求める皮膜と、部品の素材・形状に対応しているか。
  • 処理方式と設備:バレル、ラック、フープなど、数量や形状に合う方式を持つか。
  • 品質保証:ISO認証の有無、膜厚や外観の検査設備、トレーサビリティの体制。
  • 環境対応:排水処理の体制、規制物質を含まない処理への対応状況。
  • 試作から量産までの対応:小ロットの試作に対応する部門があるか、量産に移行できるか。

実際の検討では、図面と仕様を示した上で見積もりと工場見学を依頼し、設備と品質管理の実態を確認することが基本です。単価の考え方は表面処理・めっき産業の全体像で整理しています。

一次情報の確認先

本サイトは公開情報を整理した業界レポートであり、特定の加工業者・薬品・設備の推奨ではありません。排水基準・化学物質規制の記述は概要であり、実際の対応は法令原文・所管自治体・専門事業者の確認が必要です。