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SURFACE FINISHING REPORT

排水規制・資格・
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一般排水基準、亜鉛などの暫定排水基準、PRTR、技能検定、公害防止管理者を整理します。

ステンレスの槽と青い配管が並ぶ、金属表面処理工場の排水処理設備の内部

めっき工場に関わる一般排水基準

最終更新日:

本ページの規制に関する記述は概要です。排水基準や暫定排水基準は改正されるため、実際の対応は法令原文、所管の自治体、専門事業者の確認が必要です。数値は環境省と関係通知の公表内容に基づき、2026年10月時点で確認できる範囲を示しています。

めっきや表面処理の工程では、金属イオンやシアン、酸・アルカリなどを含む排水が発生します。工場から公共用水域に排出される水は、水質汚濁防止法に基づく排水基準の対象になります。環境省が公表する一般排水基準のうち、めっき工場の排水に関係の深い項目を、下の表に抜き出しました。

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項目許容限度(一般排水基準)
シアン化合物1 mg CN/L
六価クロム化合物0.2 mg Cr(VI)/L
ほう素及びその化合物海域以外:10 mg B/L、海域:230 mg B/L
ふっ素及びその化合物海域以外:8 mg F/L、海域:15 mg F/L
銅含有量3 mg/L
亜鉛含有量2 mg/L
溶解性鉄含有量10 mg/L
溶解性マンガン含有量10 mg/L
クロム含有量2 mg/L

出典:環境省「一般排水基準」。2026年10月時点、公表ページに基づく。表は抜粋であり、すべての項目を示すものではありません。

環境省の同ページによると、生活環境項目に関する排水基準は、1日当たりの平均的な排出水の量が50立方メートル以上である工場又は事業場に係る排出水について適用するとされています。有害物質(シアン化合物、六価クロム化合物、ほう素、ふっ素など)と生活環境項目(銅、亜鉛、溶解性鉄など)で適用の考え方が異なるため、自社の工場がどの基準の対象になるかは、所管の自治体に確認する必要があります。また、都道府県が条例でより厳しい上乗せ基準を定めている場合があり、実際の許容限度は地域によって異なります。

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めっき排水の処理の基本的な考え方は、物質ごとに異なります。シアンを含む排水は、アルカリ性で塩素系の薬剤などにより酸化分解する処理が一般的です。六価クロムを含む排水は、還元して三価クロムにしたあと、水酸化物として沈殿させて除去します。銅、亜鉛、ニッケルなどの金属は、pHを調整して水酸化物として沈殿させ、固液分離します。ほう素やふっ素は、通常の水酸化物沈殿だけでは除去が難しく、凝集沈殿や吸着、イオン交換などの別の処理が必要になる場合があります。排水処理設備の事業者については、関連サイトの水処理業界や水質分析・環境測定もあわせてご覧ください。

排水処理の運転管理と汚泥

排水処理設備は、設置しただけでは基準を満たし続けられません。薬剤の注入量、pHの管理、沈殿槽の運転、ろ過や脱水の状態を継続して確認し、排水の分析結果を記録する運転管理が必要です。排水の分析は、自社で簡易的に行う場合のほか、環境計量証明事業者に依頼して公定法で測定する場合があります。また、金属を含む排水を処理すると汚泥が発生します。事業活動に伴って生じる汚泥は、廃棄物処理法上の産業廃棄物として適正に処理する責任が排出事業者にあります。汚泥の量を減らす工程の見直しや、金属の回収、水洗水の循環利用などは、排水対策とコスト管理の両面から各社が検討している項目です。

亜鉛の排水基準と暫定排水基準の経緯

亜鉛は、亜鉛めっきや亜鉛合金めっきを行う電気めっき業の排水で特に重要な項目です。環境省の「電気めっき業における亜鉛の排水濃度低減のための対策事例集(令和5年度版)」によると、水生生物の保全の観点から、平成15年11月5日に全亜鉛の環境基準値が設定されました。この環境基準の維持・達成を図るため、平成18年12月11日に、水質汚濁防止法に基づく排水基準の項目である亜鉛含有量の許容限度が5mg/Lから2mg/Lに強化されました。

この際、一般排水基準を直ちに達成することが困難であると認められる業種に対して、暫定排水基準が設定されました。事例集の発行時点(令和6年3月)では、電気めっき業のみに暫定排水基準(4mg/L、適用期限は令和6年12月10日)が適用されていました。

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環境省水・大気環境局長は、令和6年11月11日付の通知(環水大管発第2410314号)で、電気めっき業について、排水濃度の実態や適用可能な処理技術に照らして一般排水基準への移行の可否を確認したところ、依然として排水処理において解決が困難な課題があり、直ちに排水濃度の低減や一般排水基準の適用は困難であると判断した、と説明しています。そのうえで、暫定排水基準(4mg/L)の適用期間を、令和11年12月10日まで延長することとしました。改正省令(令和6年環境省令第29号)は令和6年11月11日に公布され、同年12月11日から施行されています。

このように、電気めっき業の亜鉛は、一般排水基準が2mg/Lである一方、暫定排水基準として4mg/Lが適用される、特例的な扱いが続いています。ただし、暫定排水基準が適用される業種に属する特定事業場が、同時に暫定排水基準が適用される業種以外の業種にも属する場合の取扱いなど、適用の細部は通知に定めがあります。自社への適用の有無は、通知の原文と所管自治体の案内で確認してください。

ほう素・ふっ素の暫定排水基準

ほう素及びふっ素についても、一般排水基準が設定された際に、直ちに達成することが困難な業種に暫定排水基準が設けられました。環境省の2018年8月の資料によると、ほう素、ふっ素並びにアンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物(硝酸性窒素等)については、平成11年2月に設定した環境基準の維持・達成を図るため、水質汚濁防止法による一般排水基準を平成13年7月に設定しました。この際、一般排水基準を直ちに達成することが困難であると認められる39業種について、3年間の期限で暫定排水基準を設定し、その後は3年ごとに取組の状況や排出実態を基に見直しを実施してきたと説明されています。

直近の見直しとして、仙台市が公表している資料は、令和7年環境省令第17号(令和7年7月1日施行)の内容を紹介しています。それによると、令和7年6月30日まで暫定排水基準が適用されていた10業種のうち8業種について、一部の基準値を強化しつつ適用期間を延長しました。適用期間は、旅館業と下水道業が当分の間、その他の業種は令和10年9月30日までとされています。同資料の暫定基準の一覧には、電気めっき業が掲載されており、海域以外に排出する場合で日排水量50立方メートル未満のとき、ほう素が30mg/L、ふっ素が40mg/L、日排水量50立方メートル以上のときのふっ素が15mg/Lと記載されています。

この一覧は、下水道法の特定施設の届出がある業種の下水排除基準に適用される内容として仙台市が整理したものです。水質汚濁防止法の暫定排水基準の原文は、環境省の省令と通知で確認する必要があります。同じ業種でも、排水量、排出先(海域かそれ以外か)、事業場が属する他の業種などによって適用される値が変わるため、自社の条件に基づく確認が欠かせません。

PRTRと化学物質管理

めっき工場では、ニッケル化合物、六価クロム化合物、シアン化合物、ふっ素化合物など、PRTR制度(化学物質排出把握管理促進法)の対象となり得る物質を取り扱うことがあります。PRTR制度は、対象の化学物質の環境への排出量と移動量を事業者が把握して届け出る制度で、第一種指定化学物質はPRTR制度とSDS制度の対象です。兵庫県の解説ページによると、令和3年10月20日に政令が公布され、令和5年4月1日に施行された改正で、第一種指定化学物質は462物質から515物質へ、第二種指定化学物質は100物質から134物質へ見直されました。

対象となる事業者の要件(業種、従業員数、取扱量)と対象物質は、政令と経済産業省の公表資料に定められています。どの物質が自社の排出量届出の対象になるかは、取扱量の集計と物質の確認が前提になるため、環境担当者の業務になります。

資格:技能検定と公害防止管理者

技能検定(めっき)

技能検定は、働くうえで身につけるべき技能を、国が客観的に評価する国家検定制度です。受検申請や試験の実施は、各都道府県の職業能力開発協会に問い合わせるよう、中央職業能力開発協会(JAVADA)が案内しています。めっき関連では、職種「めっき」に電気めっき作業と溶融亜鉛めっき作業があり、厚生労働省の資料では1級と2級の実施職種として掲載されています。アルミニウム陽極酸化処理(1級・2級)も、関連する資格として厚生労働省の資料に記載されています。試験科目の範囲、受検資格、実施日程は年度によって異なるため、JAVADAと都道府県協会の最新の案内でご確認ください。

公害防止管理者

公害防止管理者は、「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」に基づき、対象となる特定工場に置かれる資格者です。国家試験は、一般社団法人産業環境管理協会(JEMAI)が実施しており、令和8年度の公害防止管理者等国家試験は2026年10月4日に実施されたと、同協会のページに掲載されています。水質関係の区分を持つ人材は、めっき工場の排水処理の管理に関わる立場で求められます。どの工場が対象になるかは法令と政令に定めがあるため、自社の該当性は所管の自治体にご確認ください。

キャリアと求人の見方

めっき業界の仕事は、現場のオペレーター、液管理・分析、品質管理、排水処理、生産技術、薬品や装置の技術営業など、多様な職種に分かれます。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)には「めっき工」のページがあり、金属やプラスチックの表面を薄い金属の被膜で覆う作業(めっき作業)、またはアルミニウム陽極酸化処理を行う仕事として紹介されています。職業別名には、めっき設備オペレーター、アルマイト工、化学めっき工などが挙げられています。

job tagの統計データは、就業者数が国勢調査(令和2年)、賃金(年収)や労働時間、年齢が賃金構造基本統計調査を基にしていると、ページ上で説明されています。具体的な就業者数や賃金は職業紹介ページで確認できるため、当サイトでは数値を転載せず、最新の数値はjob tagのめっき工のページでご確認ください。

キャリアの選択肢として、受託加工の現場から品質管理や生産技術へ進む道、薬品メーカーの技術サービスや開発へ進む道、公害防止管理者の資格を軸に環境管理へ進む道などが考えられます。求人情報の探し方としては、各社の採用ページのほか、ハローワークや業界団体の情報が入口になります。各社の採用ページは、公式サイトの会社概要から辿れます。製造業の求人は、事業所の所在地、シフト、必要な資格、研修制度などを具体的に確認して比較することが基本です。

一次情報の確認先

本サイトは公開情報を整理した業界レポートであり、特定の加工業者・薬品・設備の推奨ではありません。排水基準・化学物質規制の記述は概要であり、実際の対応は法令原文・所管自治体・専門事業者の確認が必要です。